京都大学 工学研究科 情報工学専攻 富田研究室

脳型情報処理の研究


リカレント(recurrent)・ニューラル・ネットワーク(以下リカレント・ネッ ト)は,回帰結合をもつニューラル・ネットワークである.リカレント・ネッ ト は,その回帰結合によって有限状態機械と同様に「状態」を表すことがで きるため,同じく有限状態機械と同様に時系列処理が可能である.思考や言語 といった人間の高次情報処理も時系列処理であるから,リカレント・ネット による時系列処理は,こういった人間の高次情報処理の解明に大きな糸口を与 えるものと期待されている.

さて,人間の脳には,短期記憶と長期記憶にそれぞれ別の仕組みがあることが 知られている.このことを反映して,プロダクション・システムも,ワーキン グ・メモリと手続き記憶という2つの仕組みを与えられている.そこで我々は, リカレント・ネット にも短期と長期という2つの記憶の仕組みを与えられない かと考え考え,種々の課題を学習したリカレン・ネットの分析から,そうした 仕組みを探っている.

2003年度
* 三輪 忍 他, リカレントネットにおける移動ロボットのナビゲーション課題の学習, 平成15年度情報処理学会関西支部支部大会(学生奨励賞受賞).
2002年度
* 津田 晃寿 他, 学習による非同期連続状態機械の構成, SWoPP2002.
2001年度
* 三輪 忍 他, コンダクタンスニューラルネットによるGSMの構成, SWoPP2001.
* 津田 晃寿 他, コンダクタンスニューロンモデルを用いた順序回路の実現, SWoPP2001.
1999年度
* 津邑 公暁 他, 記憶構造観測のための神経網シミュレーション, 第20回 計測自動制御学会システム工学部研究会「人工生命の新しい潮流」.
最終更新日時:
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