京都大学 工学研究科 情報工学専攻
計算機工学講座 計算機構成分野 (富田研究室)

並列化コンパイラTINPAR

データ並列性を内在する逐次プログラムをメッセージパッシング型並列計算機、 ワークステーションクラスタで実行可能なコードへ自動的に変換する並列化コン パイラTINPARの開発を行なっている。本年度は 1)FORTRAN77あるいはそれに HPFのデータ分割ディレクティブを挿入した逐次コードの自動並列化、2)非均質 計算機環境向け並列化、3)重複プロセッサ間通信の解析とその削減手法の研究を 行なった。

1)については、手続き内の配列データ分割の自動決定、手続き呼び出し時の配列 データの再分割、データ分割決定のための並列コードの実行時間見積を中心に開 発を行ない、サンプルプログラムの自動並列化を確認した。

2)については、性能の異なるワークステーションからなる非均質計算環境向けの コード生成として、各ワークステーションへのデータ分割の最適化、実行時デー タ再分割の間隔の自動決定を実現した。

3)については、データフロー解析を用いて重複するプロセッサ間通信を解析し、 それをコンパイル時、および実行時に削減する手法を提案した。


最終更新日時: Last modified: Tue Feb 3 20:23:09 JST 1998
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