京都大学 工学研究科 情報工学専攻
計算機工学講座 計算機構成分野 (富田研究室)

ボリューム・レンダリング専用並列計算機ReVolver/C40


科学技術計算結果や医療計測機器から出力されるボリュームデータの可視化を行 い、対象物の解析を支援するための専用並列計算機ReVolver/C40を開発している。

 ReVolver/C40は、レイキャスト、ピクセル計算、シェーディングの3つのステージ により構成される。評価の結果、512^3ボクセルを512^2ピクセルのスクリーン上に可 視化する際、各ステージの描画速度が、それぞれ毎秒2.32, 3.18, 3.08枚であること を確認した。また、ReVolver/C40では、3重構造メモリを採用することにより高速なボ リュームレンダリングを実現している。しかしながら、3重化されたボリュームデー タは非常に大きく、その転送時間は無視できない。システムコントロールユニットの 設計の結果、512^3ボクセルのデータに対し、高々8.05秒という実用的な時間で転送 可能であることが判った。

一方、階層的に構成されたサンプリング格子を採用することにより、より大規模な ボリュームデータを従来のメモリ構成で可視化する研究を行った。この結果、平均的 な医療画像において、従来よりも小さなメモリで可視化が可能なことが確認された。 また、視角の上限を実用上問題とならない範囲に制限することで、単一メモリ構成で 視線上の並列ボクセルアクセスが可能なメモリ構造の研究も行っている。このメモリ 構造を採用した専用並列計算機では、毎秒48枚の動画を生成することが可能である。


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