このハードウェアで支援される共有メモリを利用して、 ミッションとユニットからなるアクティビティモデルを採用した。 1つの仕事であるミッションは、 仮想空間とプロセッサ割り当ての単位であるユニットからなり、 ユニットどうしは、同じアドレス領域を持つ共有メモリを通じて通信する。 ノードの負荷に偏りが生じれば、 スケジューラが適宜ユニットを低レイテンシで移送し、 偏りを減らしてプロセッサ利用効率を上げることができる。
また、特定のユーザの仕事のために、 他のユーザの利用できる資源が極端に制限されないよう、 公平性を重視したスケジューリングを行う。 このため、システムは各ユーザに「チケット」を与える。 ユーザは自分の持つチケットの一部を仕事につけてシステムに投入し、 システムはその仕事に付加されているチケットの量に比例して資源を配分する。
現在、オペレーティングシステム Colonia において、 機種に依存するような低レベルな部分を開発するとともに、 ミッションやユニットの生成、移送、スケジューリングなど、 中心部分を既存のUNIX上で動作実験している。 このため、低レベル部分のインターフェースをUNIX上で提供するための エミュレータを、併せて構築している。