ボリュームレンダリング専用並列計算機の開発
ボリュームレンダリング処理は、
3次元のボリュームデータを2次元に射影する画像生成処理と、
その射影結果に陰影をつけるシェーディング処理に分けられる。
ReVolver/C40 ではこれらの処理を
視線生成ステージ(Ray Casting Stage:RCS)、ピクセル値計算ステージ
(Pixel Calculation Stage:PCS)、シェーディングステージ(Shading Stage:SS)、
と呼ばれる3つのステージで行なっている。
ReVolver/C40 では内部動作周波数50MHz の DSP(TI社 TMS320C40)を PE として使用して
おり, プロトタイプシステムは 8PE構成のRCS, 128PE構成のPCS, 16PE構成のSSが
目標である. なお, 現時点では以下の2つの構成で動作が可能である.
- ReVolver/C40-mini
-
3PE の RCS, 8PE の PCS ならびに 8PEのSS で構成する
点を除きReVolver/C40 の全機能を使用
- ReVolver/C40-demo
-
ホスト計算機に RCS の機能を代用させ, PE間の通信路として DSP の
通信ポート(20MB/s)のみを使用する 32PE の PCS(ボクセル値プリロード機能未使用),
ならびに 8PEの SS で構成
ReVolver/C40-mini に基づいた性能評価に関しては文献を参照していただきたい.
以下では, ReVolver/C40-demo に基づいた性能について述べる.
PCSのPE数がNの場合, N$^3$ のボリュームデータがReVolver/C40の標準負荷であるが,
各PEの主記憶容量に余裕を設けている為, ReVolver/C40-demo が表示できる
最大ボリュームサイズは 256$^3$ である. この時, 画面サイズを 256$^2$ とすると
0.29フレーム/秒の描画性能が実測された. この数字はReVolver/C40の標準負荷の
約8倍の計算負荷をかけた場合の数値であり, ReVolver/C40の標準負荷に換算すると
2.37フレーム/秒に相当する. また, ReVolver/C40-mini での実験から,
ボクセル値プリロード機能を使用すると約2.5倍の性能が得られることが分っており,
これらの値から ReVolver/C40 の標準負荷での性能は, 画面サイズを 256$^2$ とすると
5.93フレーム/秒となることが予測できた.
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