脳型情報処理


人工知能や人工生命とは異なるアプローチから,人間の脳を手本とし, 「人間のように知的なもの」を実現することを目標とした研究を行っている。 知識表現の単純な記号化を避けるため,従来は明示的に与えられてきた 知識構造や学習方法などを,忠実な神経モデルに基づく神経網の シミュレーションを通じて発見することを当初の目標としている。

今年度は,任意の順序回路をニューラルネットワーク上で実現するための ニューロンモデルおよびネットワークの枠組を考案し,実際に迷路問題を 解くエージェントを,それを用いて実現した。また,ニューラル ネットワーク上で実現する順序回路を表現するための, ニューラルネットワーク記述言語を開発した。加えて,その言語で記述された 回路をニューラルネットワークの結合荷重テーブルに変換するための 言語処理系を Lisp を用いて実装した。

今後は,記憶および知識表現を実現し得る神経網モデルの構造を模索しつつ, 今年度実現したエージェントを初期個体として遺伝的アルゴリズム (GA) に 基づくシミュレーションを行っていく。


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