並列計算機JUMP-1は,文部省重点領域研究の一環として開発が続けられている 分散共有メモリ(DSM:Distributed Shared Memory)型並列計算機である. JUMP-1は主に4つのプロセッサとメインメモリから成るクラスタを, RDT(Recursive Diagonal Torus)と呼ばれるネットワークで接続した構造を持 つ.JUMP-1におけるクラスタ間共有メモリ管理は,専用プロセッサMBP-light によってプログラムベースで柔軟に行うアプローチを採る.
JUMP-1で用いられるチップ及びボードの開発は終了しており,現在,16クラス タ―64プロセッサのシステムが動作している.
今年度は,MBP-light上のDSM管理プログラムの開発を行った.これを実機上で 動作させ,クラスタ間のメモリアクセスレイテンシを計測したところ,良好な 結果を得た.また,応答パケットのコンバイニング機能を利用する環境も整い, JUMP-1 DSM が実現されつつある.今後は実際的なアプリケーションを用いて 評価を行う予定である.