Javaバイトコードの高速実行について,ハードウェア/ソフトウェアの両面から研究を行っている.提案されてきた高速化手法のなかで,われわれが最も注目しているのは,Java仮想マシン(JVM)におけるメソッドを単位としたデータ再利用である.
本年度は,昨年度までに確立したデータ再利用機構の詳細な分析を行い,その有効性や問題点を明らかにした.メソッド処理や実行命令の省略にかなりの割合で成功する反面,ネイティブメソッドが場合によっては大きな障害になることも分かった.
今後は,将来に再利用される処理を予測する投機的な機構を基礎とした,選択的なRB登録,事前のRBエントリ作成など,さらに優れた高速化手法に発展させたいと考えている.