ReVolver/C40では、透視投影によるボリューム・レンダリングを、処理を視線 生成ステージ(RCS:Ray Casting Stage)、ピクセル値計算ステージ(PCS:Pixel CalculationStage)、シェーディングステージ(SS:Shading Stage)の3つのス テージで行なっている。現在、ホスト計算機に RCS の機能を代用させ、 32PE のPCS(ボクセル値プリロード機能未使用)、ならびに 8PEの SS で構成される、 ReVolver/C40-demo が動作している。透視投影では、視線の範囲は本来四角錐 で奥へ行くに従って広がっている。ReVolverではハードウェアの制限のため、 スクリーン上の各ピクセルについて視線は一本でなければならない。そのため、 視線の広がりを考慮してボリュームレンダリングを行なうことはできない。
このReVolver/C40の制限による画質の低下について評価するため、ワークステー ション上で、視線の広がりを考慮して広がりが一定を越えると視線を分裂させ るプログラムを実装し、生成される画像の画質とそれに要する時間を測定した。 広がりを考慮する場合としない場合のそれぞれについてボリュームデータを離 散モデルと連続モデルとして扱って比較した。結果として、視線の広がりによ る差は拡大率が高いなど非常に特殊な場合を除いて見えないが、連続モデルと 離散モデルの差は通常考えられるボリュームデータの見方で、大きく現れるこ とがわかった。実行時間については、連続モデルは離散モデルの約8倍のかか り、考慮する場合は、視線を分裂させる回数に応じて変化するが、実行時間の 低下に見あうだけの画質の向上は見えない。
今後は、視線の広がりを考慮する必要はないと判断し、ReVolver/C40-demoに 連続モデルでサンプリングを行うプログラムを実装し、実機を用いて高速化と 画質の向上を比較する。