京都大学
工学研究科
情報工学専攻
富田研究室
脳型情報処理の研究
我々は、従来のニューラルネット研究とは異なり、汎用性をもつニューラルネッ
トの実現を目指している。このために脳の基本的な機能である記憶に着目し、
記憶が必要な問題を解くニューラルネットを実現することにする。このような
問題として迷路内を動くロボットの視点で解く迷路問題を与えることにし、こ
れを解くニューラルネットを回帰結合をもつリカレントネットによって実現す
る。
ニューロン・モデルには大別して頻度モデルとパルスモデルが存在する。いずれ
を用いるかによって、リカレントネットの構成法も異なる。
前者については、一般的な構成法に倣い、頻度モデルを用いたリカレントネットに通時
的誤差逆伝搬法を適用した。現在、これを用いて迷路を解くリカレントネット
を構成するための学習方法を検討している。
一方、後者には、一般的な構成法が存在し
ない。そこで、1.)パルスモデルによってディジタルな論理素子を実現
し、2.)それを用いて順序回路を構成し、3.)そのネットワークにヒューリスティッ
クな変換を施す、という構成法を提案した。これに基づき、パルスモデルの1
つであるシンプルスパイキングモデルによって論理素子を実現し、それを用い
て迷路を解く順序回路を実現した。現在、順序回路であるリカレントネットに
施す変換を検討している。
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