京都大学 工学研究科 情報工学専攻
計算機工学講座 計算機構成分野 (富田研究室)

並列応用を指向した分散システム Computer Colony

我々は, 複数の独立した計算機が必要に応じて群(コロニー)を形成し, それらがあたかも単一の計算機であるかのようなイメージ(Single System Image:SSI) を提供することで従来のSMPシステムの操作性に匹敵する計算機環境を実現する コンピュータ・コロニーの研究を行っている. 「ネットワークの向こうにある無尽蔵の計算資源を, その物理的な構成を意識 せずに自由に使いこなせる計算機環境」がコンピュータ・コロニーの理想である.

我々はこの目的を達成するために必要な共有メモリ環境を効率的に実現する ハードウェアと, プログラミングフェースとして従来のSMPシステムでの タスク-スレッド・モデルを拡張したミッション-ユニット・モデルの基礎的な 研究を行ってきた. 平成13年度は、ハードウェアの研究のみを行っており、 主な研究成果は以下の通りである.

平成10年度からの基盤研究の成果として作成したネットワーク・インタフェー ス・カードに通信機構の実装を行った.具体的には, ワークステーションのシステムバスとのバスインタフェース,1Gbps の光ネットワークとのインタフェース,及び,パケットの生成及び解析を行う回路を設計し,ボード上のFPGAに実装した.これにより,Read/Write及びそれに伴うAck./Nack./Replyを送受信する専用のプロトコルを用いた通信を可能とした.

このネットワークインタフェースカードをワークステーションに装着し, 光ケーブルによるループバックテスト,及び2台のワークステーションを光ケーブルで接続した通信テストを行った.この結果, ループバックテストでは良好な結果が得られた.一方,2台のワークステーションを用いた通信テストでは光ネットワークインタフェースにおけるデータの誤り率が予想以上に高いことが判明し,その原因の解析に着手した.


Last modified: Fri Feb 22 21:17:39 東京 (標準時) 2002
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