京都大学 大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻
コンピュータ工学講座 計算機アーキテクチャ分野 (富田研究室)
(情報工学教室)

並列計算機JUMP-1


JUMP-1 は主に4つのプロセッサとメインメモリから成るクラスタを, RDT(Recursive Diagonal Torus)と呼ばれるネットワークで接続した構造を持 つ,分散共有メモリ(DSM:Distributed Shared Memory)型並列計算機である. JUMP-1 では,クラスタ間DSM管理は専用プロセッサMBP-lightによって プログラムベースで行う.

本年度は,昨年度に引き続きMBP-light 上のDSM 管理プログラムの開発と, RDTが持つ Ack の生成/収集機能を利用する環境の整備を行った. 現在,実機上で行列積やLU 分解程度の簡単なプログラムを実行することが可能となった.

全体性能の評価として行列積の台数効果を計測すると,2プロセッサで逐次の1.93倍,4プロセッサで3.73倍であるとの結果を得た. またRDT のAckの生成/収集機能の効果を確かめるために,同機能をMBP-light 上のソフトウェアで処理する場合と比較した. 結果,RDT の機能を用いることでクラスタ間アクセスの処理時間はかなり削減できることがわかった. またプログラムの全実行時間も比較したが,今回用いたプログラムはAckを伴うメモリアクセスが少かったため,差は微かであった.

Last modified: Tue Feb 26 01:21:46 JST 2002
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