スーパースカラ・プロセッサは, 動的命令スケジューリングのため, 命令の実行に必要なデータの有効性を追跡する wakeup と呼ばれるロジックを持つ. このロジックは, パイプライン化できない. そのうえ, その回路遅延は, ゲート遅延ではなく, 配線遅延が支配的である. そのため, LSIの微細化と命令パイプラインの進化に伴って, このロジックは 将来スーパースカラ・プロセッサのクロック速度を制限する主要因となると考えられていた. そこで我々は, このロジックを高速化する手法として, 命令間の依存関係を表す行列を用いる 直接依存行列型スケジューリング方式 を提案した.