並列可視化アクセラレータの開発
シミュレーション結果の可視化に代表されるような、時変ボリュー
ムデータの可視化を支援する、グラフィックスカードのプロトタイ
プシステムを高速大容量FPGAを用いて試作した。試作カードは、
64bit幅66MHz動作のPCIバススロットに装着可能で、計算機クラスタ
でのシミュレーション結果を、各ノード内のPCIバスを介して可視化
用のグラフィックスカードに直接かつ並列に転送することでボリュー
ムデータの頻繁な更新処理のオーバヘッドを軽減することが可能で
ある。また、4096^3規模のボリュームデータの視点非依存の実時間
可視化を実現するため、試作カードではPC2100規格のDDR-SDRAMを2
チャンネルとボリュームレンダリングパイプライン内に設けたプリ
フェッチ機構により、1ボード当り最大4.2GB/sのメモリバンド幅を
提供する。さらに、グラフィックス・ボード間には DVI-D規格の
Dual Link channel を In/Outそれぞれ1ポート設けることで、ボー
ド間を最大7.92Gbpsでリング接続することが可能である。
大規模シミュレーションとの連携に関する研究
オペレータによる視覚、触覚等の五感を介したシミュレーションパ
ラメータの変更に対応して、実時間でシミュレーションを行なうと
ともにその結果を提示する仮想体験型シミュレーションシステムの
構成方式を検討した。具体的には、システムをシミュレーション(SIM)系
とユーザインタフェース(UI)系に分離し、UI側でも必要最小限の
シミュレーションをSIM系と同時並列実行することで実時間性を保
証するとともに、一定期間毎にSIM系から送られてくる校正データで
シミュレーションの精度を保証する手法(シミュレーション・キャッ
シングと呼ぶ)の検討を行なった。また、シミュレーション・キャッ
シングの実装手段として、Adaptive Mesh Refinement法 と Multigrid法
を応用した実時間シミュレーション・アルゴリズムの検討を行なった。
revolver@lab3.kuis.kyoto-u.ac.jp
Last modified: Mon Feb 16 16:41:44 JST 2004