京都大学 大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻
コンピュータ工学講座 計算機アーキテクチャ分野(富田研究室)
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(富)マークについて

(富)

このマークは富田研のシンボルです。 毎年 4月になると、新 4回生のオリエンテーションを行うため 掲示板に呼び出しの紙を貼るのですが、そこの一番目立つ位置に置かれています。 この神々しい輝きに、何人の学生が感動し畏れを抱いた事でしょう。(嘘800)

本題に入りますが、このマークはボリュームレンダリングで作成しました。 元のボリュームデータの大きさは、ホームページに埋め込まれている方が 256^3 voxel、ここに出ているのが 512^3 voxel です。 富の字は VFlib-2.15 を使ってビットマップを得ました。

レンダリングには 對馬さん が作成したレンダラーを、私が改造(+デバッグ)して使いました。 ユーザーインターフェースをきちんと作ってないので、使いにくいです。 レンダリングにかかった時間は正確には図ってませんが、 HP715(メモリ128MBytes) で 1 時間もかからなかったはずです。

光源はありません。ボクセル自体に色と透明度を与えた、発光するゼリーのような 物体です。 見た目の似たような画像は、透明度をサポートしたポリゴンレンダラーでも あっさりできてしまうのですが、 奥のほうまでボクセルが続いている部分ほど、色が濃くなっているのが おわかりでしょうか。これがボリュームレンダリングの特徴です。 うまく使うと霧とか湯気の表現がリアルになるかも知れません。 炎の表現に応用している大学もあります。

最終目標はやっぱり、ゲームに応用して 3D スプライトを作ってみたいなあ。 (目指せ満開 2号!←こんな古い事、誰が知っとるねん)

(画像・文: 荻野)


荻野さんが上の文章を執筆されてから、約10年が経ちました。2004年現在、512^3 voxel のボリュームデータは、Pentium4 3.0GHz + GeForce 6800 Ultra を塔載したPCを用いて、最良で毎秒15枚程度レンダリングできます。また、市販のボリュームレンダリング専用ボードである VolumePro 1000 を用いると、最大毎秒30枚レンダリングできるそうです。当研究室で開発中のボリュームレンダリング専用ボード VisA カードのプロトタイプが完成した暁には、512 * 512 * 1024 のボリュームデータをリアルタイムにレンダリングできるようになる予定です。なおプロトタイプは本来の半分の性能であり、 (以下略)

計算機の速度は向上しましたが、その一方で、10年経っても変わらないものがあります。4月になるたび、新4回生を呼び出す貼紙の一番目立つ位置で、(富) マークは今も神々しい輝きを放っています。

(文:篠本)

www@lab3.kuis.kyoto-u.ac.jp
$Id: title.html.ja,v 1.7 2004/11/11 15:48:38 sinomoto Exp $