計算機科学実験及演習 3A
(3回生前期学生実験 ハードウェア)
─── マイクロコンピュータの作成 ───
実験の概要
本実験では、FPGAと呼ばれるプログラマブルなLSIを用いて、
マイクロコンピュータを作成します。
マイクロコンピュータは、PowerMedusaボードを使用して作成します。
PowerMedusaボード上のFPGAをプロセッサとしてプログラムすることによって、
ボード全体を1つのマイクロコンピュータとして動作させることができるわけです。
実装するプロセッサのアーキテクチャは、SIMPLEアーキテクチャに準拠するものとします。
本実験では、このプロセッサの方式設計から論理設計までを行います。
論理設計には,論理CAD を使用します。
最後に、完成したマイクロコンピュータ上で、応用プログラムを実際に動作させます。
また、作成したプロセッサの性能を競いたい人のために、
任意参加のソート速度コンテストもあります。
What's New
更新履歴
受講上の注意
計算機科学実験及び演習 受講上の注意および
実験3ハードウェア受講上の注意 をよく読んで受講してください。
週 | 前半 | 後半 | 曜日 | 内 容 |
0 | 4/10 | 木午後 |
初回講義 |
1 | 4/11 | 5/30 | 金午前 |
CADへの習熟を兼ねた初回レポートの課題の実施
+ 方式設計、 スケジューリング
|
金午後 |
4/17 | 6/5 | 木午後 |
2 | 4/18 | 6/6 | 金午前 |
機能設計
+ 論理設計 (何も考えずにできるところから入力)
4/18 or 6/6 17:00 初回レポート提出 |
金午後 |
4/24 | 6/12 | 木午後 |
3 | 4/25 | 6/13 | 金午前 |
論理設計
|
金午後 |
5/8 | 6/19 | 木午後 |
4 | 5/9 | 6/20 | 金午前 |
論理設計とデバッグ
+中間報告の準備 |
金午後 |
5/15 | 6/26 | 木午後 |
5 | 5/16 | 6/27 | 金午前
|
中間報告の準備
+拡張したアーキテクチャの機能設計
5/16 or 6/27 13:00- 中間報告
|
金午後 |
5/22 | 7/3 | 木午後 |
6 | 5/23 | 7/4 | 金午前 |
拡張したアーキテクチャの論理設計とデバッグ
7/4 ACMプログラミングコンテストのため16:15で終了
|
金午後 |
5/29 | 7/10 | 木午後 |
X | 7/11 | 金午前 |
最終報告準備(予備) |
金午後 | 最終報告 |
今年は講義日程に余裕があるため、5/1,2は調整のための休みとする。
ただし、遅れていると感じている者は、この休みを利用して遅れを回復すること。
レポート提出/デモンストレーションは、初回レポート、中間報告、最終報告の3回ある。
初回はレポートのみ、中間報告と最終報告は、デモンストレーションとレポート提出からなる。
なお、レポートの書式は「レポートの書式」 として別ページに記す。
- 日時
- 前半 4/18(金) 17:00、 後半 6/6(金) 17:00
- レポート
- 個人単位で7SEG LED駆動回路の設計課題を行い、
その内容をレポートで提出する。
なお、課題1,2,3は手書きと指定されている点に注意すること。
- 日時
- 前半 5/16(金)午後、 後半 6/27(金)午後
- デモンストレーション
- PowerMedusaボード上に設計したプロセッサをダウンロードした上、
何らかの命令が動作していることを示す。
示し方は各自で工夫すること。
- レポート
- 製作する計算機に関して、
以下の内容についてまとめ、 各班ごとに1部提出する:
- 日時
- 前半、 後半 とも 7/11(金)午後
- デモンストレーション
- 製作したコンピュータの特徴などについて発表(セールストーク)を行い、
完成したコンピュータ上で応用プログラムを実行する
デモンストレーションを行う。
-
デモはグループ構成員全員が出席した状態で行うこと。
(2008/6/4追記)
-
各グループ構成員は、必ずデモの一部を担当すること。
(2008/6/4追記)
- レポート
- 完成した計算機に関して、
以下の内容について、 各班ごとに1部にまとめて提出する:
- 前回仕様書からの変更点。
- 実装した基本アーキテクチャからの拡張の説明
- どのような拡張を行ったか
- その拡張を行うとどのように嬉しいかを説明
- どのようなことが新たにできるようになるか?
(サンプル・コードを使って説明)
- 拡張の評価(以下の箇条書きは評価の例であり、必ずしも全て行う必要はない。)
- ゲート数(LUT数)がどう変わったか
- クロック周波数はどう変わったか(実動作/CADの予測値)
- プログラムの命令数/実行命令数/実行サイクル数の変化
- 考察および感想
-
プロセッサを構成する各ブロックの設計を、
各グループ構成員がどのように分担したかを記述すること。
(2008/6/4追記)
-
考察/感想は各グループ構成員ごとに行うこと。
報告書には、その考察/感想が誰のものかが分かるように記述すること。
なお、前述の各自の分担に基づき、自分の担当した部位については
特に詳細な考察を行うこと。
(2008/6/4追記)
資 料
資源保護のため、 印刷するのは最小限にし、 また、
将来のため、 オンラインで閲覧することに慣れましょう。
あと、サーバの負荷を減らすため、資料はローカルに保存しましょう。
SIMPLE
SIMPLE 設計資料
- 設計するプロセッサのアーキテクチャ、 SIMPLEの仕様書
初回講義スライド(Microsoft PowerPoint)
-
初回講義のスライドです。
三菱電機マイコン機器ソフトウエア株式会社のFPGAボードです。
なお、載っているFPGAはAltera社のCycloneファミリのEP1C6Q240C8です。
PowerMedusaユーザーズマニュアルMU200-EC6S
- PowerMedusaボードの取扱説明書。
なお、学外からはダウンロードできません.
PowerMedusaユーザーズマニュアルMU2007SEG
- PowerMedusaに追加する,7セグメントLEDボードの取扱説明書。
なお、学外からはダウンロードできません。
よくある質問とその答え
-
PowerMedusaボードに関するよくある質問とその答えです。
CAD
CADはAltera社のQuartusIIを使います。外部リンクの項目にも資料があります。
QuartusII Ver.4.0使用方法 Ver.1.0
- 三菱電機マイコン機器ソフトウェア株式会社さんが
作ってくれたチュートリアル。
なお、学外からはダウンロードできません。
CAD立ち上げからFPGAへのダウンロードまでの操作
-
CAD立ち上げからFPGAへのダウンロードまでの操作を箇条書きでまとめたものです。
スクリーン・キャプチャ付きはこちら
よくある質問とその答え
-
CADに関するよくある質問とその答えです。
設計
7SEG LED駆動回路の課題(初回レポート用課題)
プロセッサの構成に必要となる論理ゲート
-
最低限覚えておきたいゲートとその真理値表
(論理回路の履修で覚えておいて欲しかったのですが)
プロセッサの構成に必要となる回路
-
必ずしもこの回路を使う必要はありませんが、
これを使うのが最も近道となるでしょう。
(自力で考え出して欲しかった部分もありますが)
同期設計
- 同期設計に関する tips
FPGA
FPGAはAltera社のEP1C6Q240C8を使用します。
外部リンクの項目に資料があります。
- CADの使用方法
- 実験の進め方
- 設計/デバッグ
- PowerMedusaボード
オンライン資料: Quartus II開発ソフトウェア
-
日本アルテラ社のQuartusIIのオンライン資料です。
日本語の資料としては、以下の物が役に立つと思います。
- Introduction to Quartus II マニュアル
- QuartusIIハンドブック
多くのファイルに分かれていますが、今回の実験の内容で役に立つのは以下のあたりです。
- Volume 1, Chapter 12: Quartus IIネットリスト・ビューワによるデザインの解析
- Volume 2, Chapter 1: アサインメント・エディタ
- Volume 3, Chapter 15: FPGAメモリおよび定数のインシステム・アップデート
- (Volume 1, Chapter 2: 階層およびチームベース・デザインのための Quartus II インクリメンタル・コンパイル)
- (Volume 2, Chapter 5: I/O管理)
- (Volume 2, Chapter 8: 面積&タイミングの最適化)
- (Volume 3, Chapter 8: クラシック・タイミング・アナライザ)
日本アルテラ−Cycloneデバイス・ファミリの概要
-
日本アルテラ社のCycloneデバイス・ファミリの
デバイス・ハンドブックやデータシートがあります。
舞鶴高専の町田先生の公開講座のページ
-
QuartusIIによるFPGA開発手順という公開講座です。
レジュメが参考になると思います
参 考 文 献
富田眞治,
中島浩 共著:
コンピュータハードウェア,
昭晃堂,
ISBN4-7856-2044-7.
富田眞治 著:
コンピュータアーキテクチャ 第2版,
丸善,
ISBN4-621-04783-3.
D.A.パターソン,J.L.ヘネシー著, 成田光彰訳:
コンピュータの構成と設計(上) 第2版,
日経BP社,ISBN4-8222-8056-X
D.A.パターソン,J.L.ヘネシー著, 成田光彰訳:
コンピュータの構成と設計(下) 第2版,
日経BP社,ISBN4-8222-8057-8
リンク
京都大学
工学部
情報学科計算機科学コース
情報学科計算機科学コース 計算機室(学生実験)
情報学研究科
富田研
工学部シラバス
工学部シラバス 計算機科学実験及演習3
Altera
日本アルテラ−QuartusII開発ソフトウェア
質問の宛先は
shimada@kuis.kyoto-u.ac.jp.
Last modified: 2008/7/22 17:00